2012年4月21日土曜日

社会保険医療費の行方

社会保険の医療費削減法案が閣議決定しました。
診察代無料は据え置きですが、薬代の自己負担割合が高くなります。
社会保険の病院で出してもらった処方箋持参で薬を買う場合の自己負担割合は次の通りです。
・失業保険を受給していない失業者は自己負担なし
・失業保険を受給している失業者は50%
・年金受給者は10%。ただし確定申告額が18.000ユーロ以下であれば、月額8ユーロ限度。18.000ユーロ以上であれば、月額18ユーロ限度。
・確定申告額が18.000ユーロ以下、または大家族は40%
・確定申告額が18.000ユーロ以上は50%
・確定申告額が100.000ユーロ以上は60%  

このため、各人の確定申告状況などのデータ入りのマイクロチップのついた社会保険カードを新たに発行するそうで、処方箋と一緒に薬局に出して薬を購入することになります。
ということは、新しい社会保険カードが発行されてからですから、今すぐ実施ではないようですね。

そして外国人への医療サービスにはかなり厳しい見直しが入ります。
スペイン国外のヨーロッパ人が、アンダルシアにアパートを借りて観光を兼ねて手術を受けに来るのは周知の事実です。手術代はスペインが負担、しかも年配者は手術待ちも優先されるのですから。よくまあこんな大判振る舞いをしているなあと思っていたら、社会保険制度崩壊の危機ですものね。当たり前です。素人の私だって予想できたんですから。

そしてスペイン在住日本人に大いに関わってくる変更事項です。
外国人法も改正され、外国人がスペインで社会保険の医療サービスを受けるには、税金を支払うことが条件になる、とありますので、居住登録さえすればカードが出るという可能性はなくなりました。
また、新しくなる社会保険カードには、各個人の納税ステータスが登録されるわけですから、被扶養家族ではなくて納税履歴のない人は社会保険カードをもらえない=医療サービスを無料で受けられなくなるはずです。


ジェネリック医薬品を処方する、一箱の薬量を減らす等なども盛り込み、総額70億ユーロが削減されるそうですが、何で今頃...もっと早くにやってればね...

今後具体的にどういう方策が取られるのか、要チェックです。


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